不動産相続を円滑に進めるには、もちろん遺言書を作成することが効果的ですが、日頃からの家族間のコミュニケーションも重要になります。積極的にコミュニケーションをとって情報の共有を習慣化していれば、遺産分割のトラブルが起きにくくなるのです。子どもが遠方に住んでいる家庭では、司法書士にサポートしてもらうことが推奨されます。不動産相続に関することで司法書士と定期的に連絡をとっていれば、親に異変があったときも早期に気づくことができるのです。

子どものほうから不動産相続について親に切り出すのが難しければ、何か困ったことはないかと質問してみましょう。すると財産管理の話題に持っていきやすくなります。不動産相続というワードを口にすると、お金を欲しがっているような印象を与えることもありますが、財産を守るという観点で話し合いをすれば、納得のいく結果が得られやすくなるのです。担当の司法書士がいるのであれば、その話し合いにオブザーバーという立場で参加してもらいましょう。

家族間の会話を俯瞰で聞くことで、司法書士はお金の流れがわかってどんな備えをするべきなのかが見えてくるのです。親と子どもで異なる考えを持っていたとしても、司法書士が間に入っていれば、話がこじれる可能性は低くなります。ウチの家族は大丈夫だろうと楽観的に捉えるのではなく、日常生活の延長線上に不動産相続が存在するという認識を持ってコミュニケーションをとることが大事なのです。